導入システム
プレス機ワーク自動供給ロボットシステム
使用機種:KUKA AGILUS KR6 R700-2
導入したきっかけ
人手不足の問題ですね。人材不足の改善をしたいのと、省人化で社員の負担軽減にもなればと思いまして。
元々1人で行う工程なので、月当たりの生産量が増えた時には休憩時間を調整しながら対応し、
それでも間に合わない場合は残業や休日出勤を行うこともありました。
また、プレス作業なので1日中作業していると肩が凝ったり腕が痛くなったりと身体的な負担が大きく、
そういった部分も改善できればと思い、検討を始めました。
選定理由
複数社検討する中で、他社さんは実際にワークを見せてもあまりいい反応を示してもらえませんでしたが
インフィニティソリューションズさんは迅速に対応してくださったので、そこが1番の決め手になりました。
導入効果
サイクルタイムについては、人の場合は早い方で6秒を切るくらいだったのに対して、ロボットでは6.5~6.8秒程と多少の差はありますが、ロボットは休憩時間や退社する時間もセットして夜間も稼働できるので、
生産数は以前人が加工していた時よりも上がっています。
具体的な数でいうと、1日8,000本前後だったのが、今は多い時で1日10,000本近く生産できるようになりました。
残業や休日出勤も削減され、作業者の負担軽減にもつながっています。
また、以前はヒューマンエラーがありましたが、導入後は品質面も改善されたなというのを実感しています。
製品が筒状のものなのでセットをする向きがあるのですが、人によっては逆に入れて潰してしまって、
下手すると金型内の大幅なメンテナンスをしなくてはいけないこともありました。
ですが、今回のロボットシステムではカメラセンサで製品の向きを自動で判別してくれるので
その点でも導入効果は大きいですね。
カメラセンサでワークの向きを判別
ワークを金型内にはめ込む
操作性・サポート対応について
他のロボットを使ったことがないので初めは少し抵抗もありましたが、
KUKAのトレーニングを受けたことでスムーズに実践に移ることができました。
今では操作にも慣れ、特に難しさは感じていないです。
サポートに関しても、問い合わせた際にすぐに対応していただけますし、
その後も丁寧にフォローしていただけるのでとてもありがたいです。
今後の展望
現場としては他の製品への展開や、もう一台ロボットを導入することも視野に入れており、
今後もさらに自動化を進めていきたいと考えています。
現状はロボットハンドでの作業が中心ですが、物を運んで並べる…といった、より人間的な動作もロボット化していけると良いですね。
さらにカメラやAIなどを組み合わせて外観検査等も自動化できれば、目視でのチェック作業も大きく効率化できると期待しています。
ロボットとの連携も含めて、より省人化・高効率な現場を目指していきたいと思います。
ロボットの導入を検討している方へのアドバイス
やっぱり人手不足などの問題もある中で、今後はロボットを導入して現場をいかに効率的に良くするかを考えていかないと、賃上げなどが成り立たなくなるので…。
一歩踏み出すというか、人がやらなくてもロボットがやってくれるところが必ずあるはずなので、
そこにいかに投資して、賃上げと利益をどう出していくかというところですね。
人間は限りない能力があるので、付加価値の高い仕事は人間が担い、ロボットと役割を上手く分けながら
お互いの強みを生かす形でやっていくのがいいと思っています。
ロボットは風邪もひかないし、病気もしないし、喋らないし、喧嘩もしないし、派閥もないし、
わがままも言わないので…(笑)
そういったところが、ロボットならではの良さですよね。
まずは、検査やプレス後の取り出しといった比較的単純な作業をロボットに置き換えることで
自動化を進めやすくなります。
フル自動が難しい工程でも、ロボットを使ってその次の工程を自動化できれば結果的にオール自動に近づけるので、そういった工夫を上手く組み合わせていくことで単価や競争力が付くと思います。
会社情報
株式会社日本万年筆製造所
本社・工場:〒370-2307 群馬県富岡市藤木38
設立:1966年10月
従業員数:55名
http://www.nichiman-net.co.jp/
事業内容
金属プレスの試作~金型製作の一貫生産
筆記用具のペンクリップをはじめ、万年筆のペン先やその内蔵部品・外装に関するプレス加工
柄メッキやバレル研磨、一部、自動車やOA機器の電気部品を生産。
また、子会社のパピラーにて複合器具の製造・組み立てを行う。
Interviewee
(写真:小井土 研吾 様)
株式会社日本万年筆製造所
代表取締役 山本 郁 様
第一製造部 次長 小井土 研吾 様